犯人の女性率(火サス)

2時間サスペンスにおける犯人の女性率を、これまで調べてきた。

今回は火曜サスペンス劇場（通称火サス）を調査対象にすることにした。


情報源として、今回も2時間ﾃﾚﾋﾞﾄﾞﾗﾏを利用させていただいた。

なお犯人の定義は、

• 殺人を犯している
• 殺人教唆を行っている
• 傷害・殺人未遂は含まない
• 放火や事故の結果、人が死んでいるものも含む
• 過去の犯罪もカウントするが、すでに警察が犯人が誰かを知っているときは数えない
• 個人名のない登場人物（殺し屋、暴力団など）は数えない
• 時効は考慮しない
• 犯罪に積極的に加担しているときは、実行犯でなくても共犯として犯人数に含める（ただし、犯人と共謀していない場合は含めない）

とする。

犯人が確認できた話数が、10以上あるもののみ数えているので、ご了承のこと。


その結果、次のようなことが分かった。


 
上記の結果を基に、

• np(1-p)>10のとき　　　正規分布を利用
• np(1-p)<10のとき　　　二項分布を利用

※n：標本サイズ、p：仮説を満たす確率

という条件で5%水準で検定した。


なお分類の基準は、

• 現実(0.204)よりも男性の殺人犯が多い…-3
• 現実の女性殺人犯の割合とほぼ同じ…-2
• 現実よりは女性犯人が多い…-1
• 男女平等…0
• 女性の犯人のほうが多い…+1
• 殺人犯の男女比が逆転している…+2
• 犯人はほとんど女性である…+3

となっている。


その結果、下の表のようになった。

	作品名
-2	わが町、小京都ミステリー、朝日岳之助
-1	立花陽介
0	室生亜季子、霞夕子、高林鮎子、鬼貫八郎、佃次郎、取調室、名無しの探偵
明確な傾向なし	救急指定病院、警視庁鑑識班、身辺警護

これだけでは何とも言えないが、これまでの結果も総合してみると、最も多いのは0で、次に多いのは-2だった。

基本は男女平等だが、時々現実の女性率に近いものが現れるということか？

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さて、これで二時間サスペンスの全枠が調べられたわけだ。


しかしこの一年間は、二サスにもいろんなことがあった。

土曜ワイド劇場は再放送ありの日曜ワイドへと変わり、水曜ミステリー9は廃止された。

そして月曜名作劇場と金曜プレミアムは午後8時開始となった。

また、『タクシードライバーの推理日誌』やTBS版『十津川警部シリーズ』、『ザ・公証人』で主演の渡瀬恒彦さんや、
『温泉㊙大作戦』やフジ版『浅見光彦シリーズ』で名脇役を演じた野際陽子さんも相次いで亡くなった。


もう二サスの時代は終わったのかもしれない。



調査作品

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データを追加。また現実の殺人犯の男女比を更新。
(2018/9/23)

平成30年版 犯罪白書 第1遍 第1章 第1節 2
1-1-1-5表「刑法犯 検挙人員（罪名別，男女別）」をもとに、
データを再計算。
(2019/10/4)

令和元年版 犯罪白書 第2遍 第1章 第1節 1
2-1-1-6表「刑法犯 検挙人員（罪名別，男女別）」をもとに、
データを再計算。
(2020/4/29)