概要
女子力とは、サブカルチャー作品において見られる、主に女性のみが持つとされる特殊な能力のことである。
また、女子力を持つキャラクターが登場する作品のことを、「女子力のある作品」ということもある。
なお、作中に登場する能力者が全て女性というだけでは、その能力を女子力と定義することはできない。
まれに男性キャラクターの中にもこの能力を持つものがいるが、その場合そのキャラクターを「女子力がある男性」と言う。
設定による分類
明示的女子力
作品内で、「女性しか特殊能力を持たない」と明言されているとき、その特殊能力を特にこう言う。
みなし女子力
作品内で、はっきりと「女にしか能力者がいない」と述べられていないとき、その特殊能力を特にこう言う。
能力者にどれだけ女性が多ければ女子力とみなせるのかについて、一般的には二項分布が用いられる。
一般的に、みなし女子力は1%水準で検定することが多い。
よって、全員が女性の場合は7人以上、男性が1人混じっている場合は10人以上能力者の女性がいるとき、その作品にはみなし女子力がある、と判断される。
能力行使の形態による分類
直接的女子力
本人が直接超常現象を起こす場合、その女子力を特にこう言う。
能力により武器を生成・召喚する場合や、変身してから能力が使えるようになる場合も、こちらの分類になる。
間接的女子力
女性のみが使用できる道具や、操縦できるロボットがある場合、それを扱える女子力を特にこう言う。
なにか装備していても、それを介して能力を使わない場合は、「直接的女子力」に相当する。
能力獲得の原因による分類
感染型
特殊なウイルスの感染によって女子力を得たタイプ。
被曝型
未知の物質にさらされて女子力を得たタイプ。
改造型
特殊な機械やナノマシンを体内に埋め込んだり、投薬・DNA操作をしたりして、女子力を得たタイプ。
装備型
改造型と似ているが、こちらは女子力を得るのに使うのが着脱容易な道具である、という点に違いがある。
超常型
神や精霊との契約や、呪術など、特殊な現象を起こして女子力を得た場合、こう呼ばれる。
ファンタジー作品でよく見られるタイプ。
人造型
特殊能力を持つ人造生物が、女性の姿をしている場合にこう言う。
ベースがクローンである場合は、改造型に分類する。
なお、女性型アンドロイドはこの区分になる。
生得型
改造型でも人造型でもないのに、生まれつき女子力を有するタイプ。
中には、精神的ショックや身体の成長等により、特殊能力が使えるようになるものもある。
能力獲得の原理による分類
性未分化説
ヒトは発生初期皆女性である、という説から生まれたタイプ。
その状態で感染や被曝、改造を受けたため、女性しかいないという説明がなされる。
正確に言うと、ヒトの胎児はもとは全て女性、というのは間違いで、男女未分化という方が適切である。
発生が進むにしたがって男女の違いが生じるが、Y染色体上の遺伝子がない場合には女性の体で生まれてくる、というのが正しい。
つまり、感染や被曝、改造により、Y染色体上の性決定遺伝子の発現の阻害、またはY染色体そのものの除去が起きてしまい、女性の能力者しか存在しないということのようだ。
Y染色体説
Y染色体ないし座乗する遺伝子が特殊能力を阻害するため、女性にしか能力が発言しない、という説。
精神説
女性特有の感情や欲求が、女子力の発揮に役立つという説。
この説をとる作品では、女子力のある男性が登場することも多い。
合理説
女性特有の適性などは存在しないが、何らかの合理的な理由に基づき、女性を感染・被曝・改造する場合に、こう言う。
直接的女子力のみ、この区分になる(「疑似的女子力」参照)。
女子力のある男性が登場しやすい。
生命力説
女性のほうが生命力が強いため、女が能力者として選ばれるという説。
「生命力が強い」という利点により、感染や被曝、改造に耐えられたり、特殊能力を使用しても疲労が少なかったりするようだ。
純潔型
女性の純潔さが能力の源となるもの。
処女性が失われると、能力も失われる。
不明説
女にだけ能力がある理由が不明なもの。
みなし女子力だけでなく、明示的女子力の中にも、この分類に入るものがある。
分類例
タイトル | 能力者 | 設定 | 形態 | 原因 | 原理 |
魔法少女まどか☆マギカ | 魔法少女 | 明示 | 直接 | 超常 | 精神 |
CLAYMORE | クレイモア | 明示 | 直接 | 改造 | 合理 |
エルフェンリート | ジルペリット | 明示 | 直接 | 感染 | 不明 |
ブラック・ブレット | 呪われた子供たち | 明示 | 直接 | 感染 | 性未分化 |
けんぷファー | ケンプファー | 明示 | 直接 | 装備 | 不明 |
アルトネリコ | レーヴァテイル | 明示 | 直接 | 人造 | Y染色体 |
戦姫絶唱シンフォギア | 装者 | みなし | 間接 | 装備 | 不明 |
結城友奈は勇者である | 勇者 | 明示 | 直接 | 契約 | 不明 |
GUNSLINGER GIRL | 義体 | みなし | 直接 | 改造 | 不明 |
ストライクウィッチーズ | ウィッチ | 明示 | 直接 | 超常 | 不明 |
舞-HiME | HiME | 明示 | 直接 | 生得 | 不明 |
舞-乙HiME | 乙HiME | 明示 | 直接 | 改造 | Y染色体 |
屍姫 | 屍姫 | 明示 | 直接 | 超常 | 合理 |
ローゼンメイデン | ローゼンメイデン | 明示 | 直接 | 人造 | 合理 |
IS<インフィニット・ストラトス> | 特になし | 明示 | 間接 | 生得 | 不明 |
死んだ女は歩かない | チェンジリング | 明示 | 直接 | 感染 | 不明 |
疑似的女子力
女性特有の適性があるわけでもないのに、別の合理的な理由で、「間接的に」能力を行使する女性が多いとき、こう呼ばれることがある。
例として、女性の方が体が小さくコックピット内では有利であるとか、何らかの原因で男性が激減しているため、女性が武器やロボットを使って戦わざるを得ないなどがあげられる。
これは、特殊な能力または素質が女子力には不可欠だという考えからだが、主観に基づく区分だとして、間接的女子力の目的達成説に分類すべきだ、との説も根強い。
また、女性の中に能力を持たない人間がいるために、その者が捨て石にされる場合は、特に「マイナスの女子力」と呼ばれることがある。
女子力アップ
初期は女子力のない作品だったものが、シリーズを重ねるごとに女性能力者が増え、女子力のある作品になること。
初期メンバーが5人で、女子力がなかったセーラームーンが、シリーズごとにセーラー戦士を増やし、女子力を得たというのが、その代表的な例である。
女子力の歴史
女子力を持つ最初のキャラクターは、『ファイブスター物語』(永野護、1986-)に登場する生体コンピュータ、ファティマ・ファティスだとされる。
ただ他の作品でも女子力が見られるようになったのは、『美少女戦士セーラームーン』(武内直子、1992-1997)がきっかけである。
『美少女戦士セーラームーン』は女児のみならず大人にも人気を博したが、その影響か、これ以降女子力のある作品が多く見られるようになった。
例として、『サクラ大戦シリーズ』(1996-)や『セイバーマリオネット』(1994-)などがあげられる。
例から分かるように、女子力のある作品の多くは男性向けコンテンツであるが、近年女児向けの『ハピネスチャージプリキュア!』(東映、2014-2015)にて、女子力が久々に登場した。
中二病との関係
女子力はしばしば、大人になると能力を失うという「中二病」と関係している。
これは魔法少女ものによく見られる、「大人になり、魔法が使えなくなる」という展開の影響であるとされる。
また「女
性力」ではなく「女
子力」という用語が使われるのは、中二病と女子力を併せ持った作品が多いからだ、という説がある。
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つまり
読んでわかるように、アンサイクロペディアじみたことを書いただけである。
書いておいてなんだが、自分はこれらの「女子力のある作品」をよく知らない。
なので、実際にはない女子力の分類もあるかと思うし、普通の異能ものでよくある設定も、女子力特有のように分類していたりする。
Wikipedia頼りで書いた冗談なので、不正確なのはしょうがないということで。
実際に分類しようとすると、どれにしたらいいのか迷うものが多かったのは、反省点かも。
それにしても、男性向け作品で女子力のあるものが多いのは、男の方が「美少女+バトル」ものが好きだから、と思ったのだが、実際はどうだろうか?
女性向けだと、バトルよりもおしゃれや恋愛が多いため、女子力がなくてもお話が成立するために、女子力のある作品が少ないのではなかろうか。
また、「明示的女子力」のある作品は調べた限り多かったのだが、意外と女子力獲得の原理まで説明しているものは少なかった。
まあ女にしか能力がない理由を考えるのは、結構難しいということだろう。
『死んだ女は歩かない』(牧野修、2010)を追加。
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