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廃墟の落書き

怖いコピペとして、以下のものがある。 俺が小学生の頃の話。 俺が住んでいた町には廃墟があった。 2階建てのアパートみたいな建物で、壁がコンクリートで出来ていた。 ガラスがほとんど割れていて、壁も汚れてボロボロだったから、 地元の人間でも、あまりこの場所に近づくことはなかったらしい。 ある日、俺は友人と肝試しをすることになって、この廃墟に行くことにした。 まだ昼ぐらいだったから、建物の2階まで上がって建物を探索した。 そしたら並んでいる扉のひとつに、文字が書いてあるものがあった。 友人と近づいて確認してみると、扉の前に「わたしは このさきの へやに いるよ」と書いてあった。 俺と友人は扉を開けて中に入り、先に進むことにした。 歩いていくと分かれ道に突き当たって、壁に「わたしは ひだりに いるよ」と書いてあった。 少し怖かったけれど、俺と友人はそのままひだりに進むことした。 すると両側に部屋があるところに突き当たって、壁に「あたまは ひだり からだは みぎ」 と書いてあった。 友人はこれを見た瞬間に、半狂乱になって逃げ出した。 でも俺はその場所にとどまって、勇気を出してみぎの部屋に行くことにした。 部屋に入り進んでいくと、突き当たりの壁に「わたしの からだは このしたにいるよ」 と書いてあった。 下を見ると、「ひだりの へやから わたしの あたまが きてるよ うしろ みないでね」。 俺は急いで、その部屋の窓から飛び降りて逃げた。 それからはもう、その場所には近づいていない。 自分はこのコピペを、単に廃墟に怖い落書きがあったという話だと思っていた。 しかし検索してみると、このコピペを「意味が分かると怖い話」(以下「意味怖」)として紹介しているページが多くある。 その「意味」とは、「最後の『ひだりの へやから わたしの あたまが きてるよ うしろ みないでね』は落書きではなく声である(この文のみ「書いてあった」と書かれていないため)」というものだ。 というわけで今回は、このコピペの起源と、本当に「意味怖」なのかを調べてみた。

パンダの名前

上野動物園の歴代パンダの名前は、全て同じ音を繰り返す名前(例 康康、蘭蘭)である。

そのせいか、「日本でパンダらしい名前」というと、繰り返し名だと思いがちだ。

しかし、和歌山県のアドベンチャーワールドのパンダはそうでない(良浜、雄浜)。

実際のところ、繰り返し名を持つパンダは何匹いるのか気になったので、調べてみた。


今回調べて初めて知ったことだが、パンダというものはいくつも名前を持っているものらしい。

まず、幼名と正式な名前の2つ。

それに加え、海外にパンダを貸与するときには、改名することがあるという。

上野動物園のパンダが、「仙女」から「真真」、「比力」から「力力」になったときは驚いたが、よくあることだったようだ。

今回調べたのは、2019年までに生まれたパンダ746個体であるが、幼名や改名後の名前も調べている。

なので、名前だけみると793ある。


繰り返し名の割合

 

上記の円グラフは、793の名前のうち、何%が繰り返し名かを示したものだ。

以外にも、繰り返し名は半分以下だった。

この結果を見ると、上野動物園のパンダも、繰り返し名にこだわる必要もないのでは、と思ってしまう。


なお、一番多かった名前は、5匹同じ名前のいた、「楽楽」と「青青」であった。

「楽」は何となく分かるが、なぜ「青」が人気なのだろうか?


繰り返し名の推移

では、これらの傾向に、時代ごとの変化はあるのだろうか。

調べた結果がこちらである。

 
上記のグラフの横軸は、基本的にパンダの命名年である。

なお命名時期が分からなかったときは、飼育個体の場合は生まれた年、野生の場合は発見された年を採用した。


上のグラフから、近年になって、繰り返し名ではないパンダの割合が急増していることが分かる。

これは、2000年代になって、パンダの飼育数が急増したためではないだろうか。

パンダの飼育数が増えると、やはり付ける名前をたくさん考えなくてはならない。

しかし、漢字一字繰り返しの名前だと、どうしても重複しやすくなってしまう。

そのために、繰り返し以外の名前が多く使われるようになったのかもしれない。


親の名前を一文字もらうパンダ

さて、今回パンダの名前を調べていて、気になったことがある。

それは、親の名前を一字受け継いでいるパンダが、結構いるということだ。

というわけで、調べてみた結果がこちらだ。

なお、父親の名前は不明なことが多かったので、母親との関連のみ調べている。



母から一文字もらうパンダが、近年になって増えていることが分かる。


パンダの飼育数が増えて、繰り返しでない名前をパンダにつけるようになったのでは、という推測を前項で行った。

そうなると、漢字二文字以上の名前を考えなければならないが、命名は難しくなる。

しかし母から一字とる方式にすれば、残り一字を考えればよく、名前を付けるのが簡単になる。

そういうわけで母から一字もらうパンダが増えているのではないだろうか。


まあ単に、日本と同様に、中国でも親から一字もらうという命名法があるだけなのかもしれないが。

参考文献

「生ぱんだまとめ」<http://taotaopanda.web.fc2.com/index.html>

「繁体字 簡体字 新字体 対照表」<http://jgrammar.life.coocan.jp/ja/tools/ksimple.htm>

「熊猫宝典」<http://pandapia.com/panda/bearcanon.html>

合資会社パンダ工房「月刊パンダ(げっかんぱんだ)」<http://www.gekkan-panda.com/>

朝日新聞社「ペットはパンダ? - ことばマガジン:朝日新聞デジタル」http://www.asahi.com/special/kotoba/archive2015/mukashino/2011032000002.html


文章加筆・修正。及び、データ追加。(2019/3/11)

2019年度分のデータ追加(2020/4/12)。

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