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廃墟の落書き

怖いコピペとして、以下のものがある。 俺が小学生の頃の話。 俺が住んでいた町には廃墟があった。 2階建てのアパートみたいな建物で、壁がコンクリートで出来ていた。 ガラスがほとんど割れていて、壁も汚れてボロボロだったから、 地元の人間でも、あまりこの場所に近づくことはなかったらしい。 ある日、俺は友人と肝試しをすることになって、この廃墟に行くことにした。 まだ昼ぐらいだったから、建物の2階まで上がって建物を探索した。 そしたら並んでいる扉のひとつに、文字が書いてあるものがあった。 友人と近づいて確認してみると、扉の前に「わたしは このさきの へやに いるよ」と書いてあった。 俺と友人は扉を開けて中に入り、先に進むことにした。 歩いていくと分かれ道に突き当たって、壁に「わたしは ひだりに いるよ」と書いてあった。 少し怖かったけれど、俺と友人はそのままひだりに進むことした。 すると両側に部屋があるところに突き当たって、壁に「あたまは ひだり からだは みぎ」 と書いてあった。 友人はこれを見た瞬間に、半狂乱になって逃げ出した。 でも俺はその場所にとどまって、勇気を出してみぎの部屋に行くことにした。 部屋に入り進んでいくと、突き当たりの壁に「わたしの からだは このしたにいるよ」 と書いてあった。 下を見ると、「ひだりの へやから わたしの あたまが きてるよ うしろ みないでね」。 俺は急いで、その部屋の窓から飛び降りて逃げた。 それからはもう、その場所には近づいていない。 自分はこのコピペを、単に廃墟に怖い落書きがあったという話だと思っていた。 しかし検索してみると、このコピペを「意味が分かると怖い話」(以下「意味怖」)として紹介しているページが多くある。 その「意味」とは、「最後の『ひだりの へやから わたしの あたまが きてるよ うしろ みないでね』は落書きではなく声である(この文のみ「書いてあった」と書かれていないため)」というものだ。 というわけで今回は、このコピペの起源と、本当に「意味怖」なのかを調べてみた。

犯人の女性率(水ミス)

今回は、テレビ東京の2時間サスペンス「水曜ミステリー」における、犯人の女性率を調べた。

また今回も情報源として、2時間テレビドラマを利用させていただいた。

なお犯人の定義として、

  • 殺人を犯している
  • 殺人教唆を行っている
  • 傷害・殺人未遂は含まない
  • 放火や事故の結果、人が死んでいるものも含む
  • 過去の犯罪もカウントするが、すでに警察が犯人が誰かを知っているときは数えない
  • 個人名のない登場人物(殺し屋、暴力団など)は数えない
  • 時効は考慮しない
  • 犯罪に積極的に加担しているときは、実行犯でなくても共犯として犯人数に含める(ただし、犯人と共謀していない場合は含めない)

とする。

また、犯人が確認できた話数が、10以上あるもののみ数えている。




その結果、次のようになった。

 
これらの結果を今までと同様に、

  • np(1-p)>10のとき   正規分布を利用
  • np(1-p)<10のとき   二項分布を利用

※n:標本サイズ、p:仮説を満たす確率

を基に5%水準で検定した。

分類の基準として、

  • 現実(0.202)よりも男性の殺人犯が多い…-3
  • 現実の女性殺人犯の割合とほぼ同じ…-2
  • 現実よりは女性犯人が多い…-1
  • 男女平等…0
  • 女性の犯人のほうが多い…+1
  • 殺人犯の男女比が逆転している…+2
  • 犯人はほとんど女性である…+3

を採用した。

その結果、下の表のようになった。

作品名
-2吉永誠一、紫門一鬼、信濃のコロンボ、清村公三郎、茶屋次郎
0近松茂道、篠宮葉月、風間昭平、片山由美、密会の宿
明確な傾向なし近松丙吉


しかし、女性犯人の割合が何に左右されるのかが、ますますわからなくなってきた。

単に、原作の男女比にドラマも従っているだけという可能性もある。

ただそれだと、TBSの十津川シリーズだけ分類が-1な説明がつかない。


もしかしたら、役者のキャラクターに影響されている可能性もある。

しかし同じ船越英一郎主演作品でも、鳩村周五郎が0で、吉永誠一が-2なので説明がつかなくなる。


それとも単純に、脚本・監督の傾向かもしれない。

この説を証明するのは簡単にはできないので、後日妥当か考えてみることにする。


調査作品




検定方法、および犯人の定義変更。
(2017.10.2)

データ追加、および現実の殺人犯に占める女性の割合を追加。

平成30年版 犯罪白書 第1遍 第1章 第1節2
1-1-1-5表「刑法犯 検挙人員(罪名別,男女別)」を基に、
殺人犯に占める女性の割合を更新。
(2019.10.4)

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