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廃墟の落書き

怖いコピペとして、以下のものがある。 俺が小学生の頃の話。 俺が住んでいた町には廃墟があった。 2階建てのアパートみたいな建物で、壁がコンクリートで出来ていた。 ガラスがほとんど割れていて、壁も汚れてボロボロだったから、 地元の人間でも、あまりこの場所に近づくことはなかったらしい。 ある日、俺は友人と肝試しをすることになって、この廃墟に行くことにした。 まだ昼ぐらいだったから、建物の2階まで上がって建物を探索した。 そしたら並んでいる扉のひとつに、文字が書いてあるものがあった。 友人と近づいて確認してみると、扉の前に「わたしは このさきの へやに いるよ」と書いてあった。 俺と友人は扉を開けて中に入り、先に進むことにした。 歩いていくと分かれ道に突き当たって、壁に「わたしは ひだりに いるよ」と書いてあった。 少し怖かったけれど、俺と友人はそのままひだりに進むことした。 すると両側に部屋があるところに突き当たって、壁に「あたまは ひだり からだは みぎ」 と書いてあった。 友人はこれを見た瞬間に、半狂乱になって逃げ出した。 でも俺はその場所にとどまって、勇気を出してみぎの部屋に行くことにした。 部屋に入り進んでいくと、突き当たりの壁に「わたしの からだは このしたにいるよ」 と書いてあった。 下を見ると、「ひだりの へやから わたしの あたまが きてるよ うしろ みないでね」。 俺は急いで、その部屋の窓から飛び降りて逃げた。 それからはもう、その場所には近づいていない。 自分はこのコピペを、単に廃墟に怖い落書きがあったという話だと思っていた。 しかし検索してみると、このコピペを「意味が分かると怖い話」(以下「意味怖」)として紹介しているページが多くある。 その「意味」とは、「最後の『ひだりの へやから わたしの あたまが きてるよ うしろ みないでね』は落書きではなく声である(この文のみ「書いてあった」と書かれていないため)」というものだ。 というわけで今回は、このコピペの起源と、本当に「意味怖」なのかを調べてみた。

犯人の女性率(土ワイ)

土曜ワイド劇場の、女性犯人の比率を調べてみた。

データは土曜ワイド劇場情報サイト・土曜ワイドステーションを参考にした。

また、傾向がはっきり表れているものに絞って調べたかったため、製作数が10作以上あるものに限った。





その結果は、次のようになった。


なお、全作品の平均は、46.6%だった。


これらの結果を、5%水準で計算してみる。

今回は、

  • np(1-p)>10のとき   正規分布を利用
  • np(1-p)<10のとき   二項分布を利用
※n:標本サイズ、p:仮説を満たす確率


で検定を行うことにする。


ここで、現実より女性殺人犯が少ない場合を-3、現実と同様の時を-2、現実よりも多いが男女平等ではないときを-1と分類しよう。

また、やや女性のほうが多い時を+1、現実と割合が逆転している場合を+2、それ以上に女性犯人が多い時を+3と規定する。

男女平等な時は0である。


細かく言うと、以下のようになる。

  • 現実の殺人事件検挙人員に占める女性の割合0.204とだけ有意差がないとき……-2
  • 男女平等な割合0.500とだけ有意差がないとき……0
  • 現実と割合が逆転した女性犯人の割合0.796とだけ有意差がないとき……+2
  • どの値とも有意差があり、かつ女性の割合が0.204未満であるとき……-3
  • どの値とも有意差があり、かつ女性の割合が0.204以上0.500未満であるとき……-1
  • どの値とも有意差があり、かつ女性の割合が0.500以上0.796未満であるとき……+1
  • どの値とも有意差があり、かつ女性の割合が0.796以上であるとき……+3



この時、土ワイの作品群は次のように分類される。

作品
-2朝吹里矢子、牛尾&冴子、紅蓮、はみだし、水島威、棟居刑事
-1京都殺人案内、終着駅、法医学教室
0朝日奈、江戸川乱歩、おかしな、おとり、温泉マル秘、片岡悠介、狩矢親娘、神津恭介、混浴風呂、事件、ショカツ、新赤かぶ、船長、鉄道捜査官、西村京太郎、牟田刑事官、若おかみ、捜査一課長
+2考古学者、タクシー、野呂盆六
明確な傾向なし100の資格、救命士、京都鑑識


男女平等な作品が一番多かったのはいいことだと思う。


なんとなくの印象論として、女性犯人が少ない場合はシリアスな路線の作品で、多い場合は女犯人の悲劇性ないし悪女っぷりを視聴者に印象付けたい作品のように思える。


ではなぜ、明るい作風の「法医学教室」では男性犯人の方が多いのだろうか。

おそらく、最後に主人公(女性)と犯人が対決するから、男性が犯人のほうが対決シーンに迫力が出るという目論見があるのではないだろうか。



調査作品





現実の殺人犯に占める女性の割合、および2016年に放映された分でカウントされていなかったものを追加。
また、牛尾&冴子シリーズを追加。
検定法も変更した。
(2017/9/30)

データ追加。
(2017/11/12)

データ追加。
日ワイも終わりましたね。
(2018/8/22)

間違っていたところを修正。
(2018/9/18)

データ追加、および誤字修正。
(2018/11/5)

データ元を土曜ワイドステーションに限定。それに伴い、データ変更。
(2018/12/13)

2018年放送分を追加および修正。
また、更新記録の文字サイズを小さくした。
昨年は修正が多かったのは反省。
(2019/1/14)


平成30年版 犯罪白書 第1遍 第1章 第1節2 1-1-1-5表「刑法犯 検挙人員(罪名別,男女別)」を基に、
殺人犯に占める女性の割合を更新。
また、計算が間違っていたので分類を修正。
(2019/10/4)

2019年放送分のデータを追加。
また、令和元年版 犯罪白書 第2遍 第一章 第一節1 2-1-1-6表「刑法犯 検挙人員(罪名別,男女別)」を基に、殺人犯に占める女性の割合を更新。
(2020/4/21)

データ追加。
(2020/4/23)

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